憧れのVanLife8 究極のハピネス

  • 2019.08.05 Monday

大勢を嫌い、自由気ままに自転車に乗って旅を続けて来た青年。

幼い頃よりオペラを学び、高い教育を受けてきた少女。

この二人の若いドイツ人男女が出会い、一緒に自転車の旅を続け、一時はベルリンの町で暮らし始めるが、すぐにその暮らしに嫌気が差し、新たな旅の計画を立てる。

その旅の計画とは、中古のスクールバスを自ら改造して、南北アメリカを縦断するという壮大なモノであった。


messageImage_1564630336555.jpg
「究極のハピネスを求めて」は、Netflixで配信中。

Netflixで配信中の「究極のハピネスを求めて」は、そんな二人のドキュメンタリー映画である。二人が自ら監督、撮影、出演を担当し、オペラで培った声量と技術を活かし、オリジナルの音楽まで自らこなしている。

ドローンやGoProを駆使して美しい景色を撮影するなど、現代ならではのドキュメンタリー作品に仕上がっている。

この作品を初めて観たのは、昨年のことで、自分がVanLifeを始める随分前のことだ。しかしながら、己の中でもこの種の旅のスタイルには深い関心があったので、とても興味深く鑑賞した。

で、先日、再び、この映画を鑑賞した。

冒頭から雨漏りシーンやその他のトラブルが発生し、今の自分の状況と重ね合わせ、一回目の鑑賞より、より深く感情移入ができたことは確かだが、ある種の疑問も沸き起こった。

まずはこのドキュメンタリー作品のタイトルである「究極のハピネスを求めて」である。

ベルリンでの暮らしをすべて捨て去り、愛犬を連れてニューヨークに飛び、そこで中古のスクールバスを手に入れ、約3ヶ月間かけて、自分たちの好みのキャンピングカーに仕上げる。

ここまでは十分に楽しい描写であり、おそらくは誰しもが憧れる行動である。

彼らの米国滞在ビザが3ヶ月で切れてしまうので、国境を超えてカナダに渡り、カナダとアメリカ国境沿いを西に向かって旅を続ける。さらにはカナダを北上してアラスカまで旅を繰り広げるが、カナダやアラスカの大自然は本当に美しく、彼ら自ら「この暮らしは究極の幸福なんだ」と自賛する。

だがアラスカからカナダに戻り、いよいよ南米を目指すあたりから、様々な現実の壁が立ちはだかる。

まずは愛犬の健康状態。次にビザの問題だ。

アメリカでの3ヶ月の滞在ビザが過ぎて、一旦はカナダに出国、そし再びアメリカに入国すれば、また新たに3ヶ月の滞在許可が降りると二人は考えていたらしいが、現実にはそこでビザが降りずに彼らの計画が大きく狂い始める。

その頃から愛犬の体調も崩れ、二人の表情にも悲しみや怒り、憔悴が見え始める。

ここからがボクの疑問が生まれ始める。

もちろん他人の旅のスタイルにケチをつけるつもりは毛頭ないし、幸福の尺度なんて、人それぞれだと思う。

しかし大勢を嫌って旅を続けて来た二人が、体制の権化とも言える入国に関するビザなどの問題に翻弄させる姿に、なんとも言えないアイロニーを感じるのだ。

ご存知のように、現在のヨーロッパのほとんどの国では国境という概念が崩れ、自由気ままに他国へ移動できる。イミグレーションではパスポートを見せる必要もなく、スイスとイタリアの一部の国境では、スキー場のリフトで通過する箇所さえ存在する。

そんな自由でボーダレスなヨーロッパから、トランプ大統領が国境に巨大な壁を作ると宣言している南北アメリカに行き、そこで自分たちの旅を練り上げる計画自体、本当の幸せを手に入れる最善の方法だと考えたのだろうか?

作中、イミグレーションの担当者によって態度が違い、一旦は降りなかったビザが許可となったり、そのあたりは入国に関する法律が曖昧なところもあるのかなあ・・・とも感じるが、アメリカとカナダの国境超えはまだしも、アメリカとメキシコの国境超えは、かなりハードルが高いことは(特に南米からアメリカに戻って来る時には)、一般的には常識である。

アルゼンチンまでの旅を計画していた二人だが、愛犬の病状が悪化し、これ以上は旅を続けることが不可能だと判断し、心血を注いだスクールバスを手放し、クリスマスのドイツに帰って行く。そこでこのドキュメンタリーは終わる。

「幸福の青い鳥」は、本当は愛する家族の待つ、生まれ故郷に居たのだ・・・との解釈もできるエンディングだが、それと同時に、気ままな旅を少し否定するような終わり方でもあった。

もしもアルゼンチンを最終的な目的地とせず、ビザの問題などに対し、もっと明確なビジョンを持っていれば、このドキュメンタリーはまったく違う着地点があったのではないか? スクールバスのような巨大な移動手段ではなく、もう少しフットワークの軽い車種を選択し、モーテル、B&B、テント泊などを駆使すれば、人間も犬も、もう少しラクに旅を続けることが出きたのではないか? とも感じる。(因みにアメリカでは、犬を連れて居ても、まったく問題なく宿泊できるモーテルはいっぱいある)目的は場所なのか? それともVanLifeなのか? あるいは旅を続けることなのか?

二人の行動力の素晴らしさが、作品からビンビンと伝わって来るだけに、そのあたりが少し残念ではあった。

だがVanLifeを実践したり、旅に対する強い憧れがあるのであれば、必見のドキュメンタリーである。

憧れのVanLife7 ファンベルト顛末記

  • 2019.07.29 Monday

御殿場の帰り道、富士五湖有料道路に入ろうとした時に、異音が聞こえてボンネットの中を覗くと、ファンベルトらしきモノが切れていた。

で、JAFに救援を依頼したが、3トン以上の重量のクルマには対応できない、と断られてしまった。というのが、前回までの話。


vanlilge07_02.jpg
外観のカスタムなどは、ほぼ完成しているので、安全に走ってさえくれればいいのだが・・・おっと雨漏りもなんとかしないと。

さてどうしようか? と一瞬悩んだが、ボクには強い味方がいる。

稲村さんに電話した。
「そうですか・・・でも未だにJAFに入会している人もいるんですね」と、ボクが経緯を説明し終えると、稲村さんはちょっと驚くことを電話の向こうで言った。

ボクがその意味の説明を求めると、彼は次のように答えた。

「今はクルマの任意保険に付加サービスで、ロードサービスって言うのがあって、そっちの方が、緊急の場合に役立つことが多いんですよ。」

なるほどそういうことか。が、今はその保険証書もなければ、連絡先も分からない。

「とりあえず、どういう状況なのか、実際に見てみないとなんとも言えないですねえ」もっともである。

次に御殿場に住む娘に電話した。今日は娘の出勤日である。(平日の午前中は娘に5Lakes&MTの店を任せている)出勤ついでに途中で拾ってもらおうという魂胆である。

最後に再び、管理事務所に入って行き、これまでの経緯を説明して、しばらくクルマを停めておくことの許可をもらった。この管理事務所の人たちはみんな親切で、笑顔で対応してくれた。こういう時の人の親切はホントに心に沁みる。

帰宅して間もなく、稲村さんから電話が入った。

「今日の午後、現場に見に行こうと思っているけど、トウキチさんの都合はどうですか?」

やっぱりスーパーマンである。

午後に自宅まで迎えに来てもらい、一緒に現場に向かった。

「もし切れているのが、エアコン・ベルトなら、そのまま現場で完全に切ってしまって、工場まで乗って帰りましょう」と稲村さんは車中で提案する。

「もしファンベルトなら?」とボク。

「その場合、ファンベルトを手に入れるまでは、動かさないほうがいいでしょうね」と、運転しながら稲村さんは、気の毒そうな笑顔を向ける。

現場に到着して、さっそく稲村さんはボンネットの中を覗く。

そして顔を上げて笑顔で言った。

「ファンベルトでしたね!」

なんでそこで笑顔なんだよ! と稲村さんを責めてはイケナイ。どんな時でも笑顔の人なんだ。

すでにこのブログでも言ったが、必要なパーツはすべてeBayで手に入れている。早ければ1週間で手元に届くが、今回は急ぎである。高速道路の管理事務所の人たちがいくらいい人たちでも、10日間近くもそのまま放置することはできない。

自宅に戻ってネットで検索しまくった。

なんと福岡の人がオークションで出品していた。質問したら、すぐに送ってくれるらしい。もちろん純正品ではないが、車体番号等で確認したところ、ちゃんと適合するようである。

ファンベルトとエアコンベルト(もうこの際だから、一緒に交換したほうがいいと、稲村さんにアドバイスを受けたのだ)が確実にボクの手元に届く日を稲村さんに伝え、日程調整したが、なかなか互いに都合が合わない。すると稲村さんは次のような提案した。

「どっちみち、現場でベルトを交換する間、約2時間はトウキチさんを待たせることになるので(これは稲村さん流の優しい言い方であって、言い換えれば、ボクが現場に居ても、なにも役に立たないということである)、ボク一人で部品を持って現場に行き、修理が完了したら、トウキチさんに引き取りに行ってもらいます!」

ああ・・・なんて親切な人なんだ! もうこれからはJAFに会費を払わずに、稲村さんに会費を払ったほうがいいかもしれない。

と、そこで思い出した。稲村さんに言われた任意保険の付加サービスについて調べてみた。

すると稲村さんの指摘どおり、自分が入っている任意保険にロードサービスのオプションが付いていた。念の為にそこに連絡をして、あれこれ確認すると、3トン以上のクルマにも対応するし、100キロ圏内であれば、無料でクルマを希望する修理工場まで運んでくれるという。

なーんだ。そういうことだったのね。

みんな! 今、自分が加入しているあらゆる契約が、どのようなサービスを行っているのか、きちんと精査した方がいいぞ!

て言うか、出来てないのはボクだけか・・・

さて前回のブログの冒頭で、「クルマは目的地に安全に到着できることが大前提である」と言った。それがクルマの存在価値である、とも。

そういう意味で我がVanは、まだまだクルマとして半人前かもしれない。だがあれこれ障害を乗り越え、いつかはきっと一人前のクルマになってくれるはず。その時こそ、愛車と呼ぶに相応しい存在になってくれることだろう。

アウトドア ライフスタイルブランド 5LAKES&MT公式サイト